
「東京に暮らす」(キャサリン・サンソム著・岩波文庫)

イギリスの女性が、昭和初期(1928〜1936年頃)の東京の暮らしを暖か〜く描いたエッセイです。ポヤポヤ可愛い挿し絵(by西脇順三郎のイギリス人の夫人)つき。著者とマージョリー西脇さんのスラリとした写
真もかっこいいのです。
「白と紺の浴衣と大胆な柄の日傘が行き交う夏の日本の街は芝居の舞台のように華やかです。 女性達の優美な動きが舞台を一層美しくしています」
「女性こそが魅力の源なのです。優美で優しい女性のいない日本など海の底に沈んでしまったほうがいいでしょう。日本とはよべませんから」
など、特に着物姿の女性を褒め称える文章がいっぱい…
(しかし、女学生が革靴をひきずって歩く音だけは耐えられない!というような苦情も時々書いています。21世紀になっても、靴ひきずり率は高いですよね?)
また背広姿のサラリーマンが、お家に帰ると着物に着替えることについての文章・・。
「彼らが帰宅すると、奥さん、娘さん、女中さんなどがもっと快適な着物を用意してくれます。着物に着替えると、背広をきていた男性も純粋な日本人に戻ります。外国のものが彼らの生活に入ってきたことなどないかのように。わずかあったっとしても、彼らの生活には何の生活もおよぼしていないかのように。」
ああー、いいですね!こういうの!
(おまけ。昭和初期の着物姿は、こんな感じ・・?)