サザエさん・仲良し手帖 朝日新聞社

着物姿が収入に結びつかない人達の着物

家庭料理ふう着物を堪能できるのが、昭和20〜30年代のサザエさん。アニメのサザエさんでは、フネと波平しか着物を着ていませんが、昭和20〜30年代は、サザエさんやタイ子さんもノビノビと着物を着ています。脇役の若い女性達の着物もお洒落!

文庫型サザエさん(朝日新聞社)の5〜13巻くらいはリラックスした着物姿がいっぱい。スリでさえ着物ですから。「着物は、凛として・しゃんとして・粋に・いなせに・キリリと・色っぽく着なくては」というリキミがないのが嬉しい。

しかもその頃は「るきさん」みたいな絵柄なんです。ぜひ、揃えてみてください!(5〜13巻より前だと、戦争直後。配給…とかで時代が違いすぎる感じ。それよりあとだと線がカッチリシャープになるし着物の絵も少なくなる)

マスオさん・ノリスケさんも、着物姿で公園に出かけては、ノンビリしているのが非常にいい雰囲気。 とにかく、着物がフリースやジーンズの感覚で、思いっきり無雑作に着られているのです。羨ましくてなりません。


こちらは長谷川町子さんのマンガ「仲よし手帖」(朝日新聞社刊)。ふつうに新刊屋さんで買える本です。

ストーリーは、想像どおり「上品なうっかりモノ。」みたいな感じなんですが、時々登場する「おじいさん・おばあさん」達の着物姿が非常に素敵!

それはそれは、ふっくらとした気持ちのよい着物姿!質素でリラックスしているんだけれど、洒落ていて、威厳もあって。そして下駄 でスタコラと、飛ぶように歩くのです。パ、パーフェクト…。

 長谷川町子さんのマンガでは「生きた着物姿」が多いと思いますが、ことに初期の作品は太い線でニュルル〜ン、と描かれていて、よりいっそう暖かい感じです。(「仲よし手帖」は昭和24年から、昭和26年くらい。)

いとうせいこうさんが「着飾った着物姿には、なんの感慨もわかない。生活の中の必要にせまられた動き(小走りになるとか、安い豚肉を棚の奥からとるとか)をしている着物姿にだけ、目をうばわれる」というようなことを書いていたのを、ふと思い出しました。