【雨の日のキモノ】



「雨風は 日出づる國に月(尻の事)を見せ」
Georges Ferdinand Bigot画





女中さん。皮肉なことに、たまの休日遊びに出かけると大雨、次の日はカラリと晴れる。
すそをまくっても、凄まじい泥がはね上がっています。 舗装されてない時代…




洋装の素敵なモガ。雨が降るとスカートをまくり上げ、伝統的な雨の日スタイルに大変身。道行く人が大根足にビックリしています。


着付けの本にまず出てこない、にわか雨対策?
ツンとした令嬢が、
スソをからげて猛ダッシュ!
ハンカチーフで帯をガード、コートと草履は風呂敷に。

真似する必要はありませんが、話しのタネに♪





「都会の雨」という特集で紹介されていた大阪・大江橋の光景。 その他、銀座、梅田の雨降りが紹介されています。 当時、キッチリ舗装されてる「都会の雨」は憧れの光景だったのでは?


■ 着物の時代は、道が舗装されていない時代。もう、どろどろ!
雨コートとか歯が立たないから
スソをガバッとまくる時代♪
女性も、盛大にまくってます。

(ベルツ博士は、明治35年の日記に「東京の街路は恐ろしい泥たんぼである。」と書いている。)

■昭和になっても、ドロドロは続きます。「新版 大東京案内 下巻」(昭和4年、今和次郎)の「雨の丸ビル」より、丸ビルにゴム長を洗う機械があったという話し。

「丸ビルの前には、特に日本人の発明にかかるトタン製靴洗浄器が数基備えつけられ、ゴム長を洗っている彼らの住宅地はおおむね、新開地なることを語っている。彼らは高速度交通 鉄道を利用し、住居区域と商業区域を連絡することにより、はるばる都心に郊外の土を運んできたものである。 」

「にわか雨の退社どき、郊外の着駅に洋傘を抱え、ゴム長をぶら下げて夫君を待つ、新婚の細君」

ゴム長通勤じゃないと、洒落にならないほど服が汚れたのでしょう。ちなみに、この“郊外”というのは、21世紀に考える郊外よりもずっと都心寄りっぽいです。(同書の中で、落合・洗足なども郊外とよんでいるので)

■水虫など各種衛生面からも、蒸し蒸しした気候に、根性で洋装・ゴム長スタイルをするより、 スソをまくって下駄をはく方が、ほんとうは日本にあっているんでしょうねー。


昭和26年(1951)頃のサ○エさんから、そっと拝借しました。 (朝日新聞社刊の第6巻)
戦後もまくりあげは続く…

 

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