【元気な女の子達】

先日、この絵を、戦前すでに成人していた女性に見せて、袖口の白いフワフワしたのは何か、聞いてみました。

すると、レースの袖口を見せるのがオシャレだった、という答えでした。(筒袖半襦袢の袖口のレース。この絵みたいにゴム入りのもあった気がするとのこと…)。吊革につかまった時も、レースが見えると綺麗だったんですって。

また薄手の絹スカーフを巻くのが流行ったそうで、この絵の襟にもフワフワ描いてありますね。

群がる紳士の皆さんを拡大。ワインのCMにこんな感じのありましたよね!男性の視線をパラソルで防ぎつつ「敵に見られず敵を見る、不思議の妖術!これが16.7の娘が持つ腕前とは驚くべし」



占いの機械(?)を前に大騒ぎしている女の子達。『ヨウ、あなたを愛して居るさうだワ、おごんなさいよ、アアたまらない』なんてワイワイふざけ、通 行人のヒンシュクをかってます。まさに姦しい状態。


昔の女の子達。洋髪・洋服と勇敢に流行を追っているお嬢さん達も「身内の病気だといってはお百度を踏んだり、頭痛がすると云ってはオマヂナイを受けたりする」……彼女達が見かけほどはモダーンになってないことを茶化している絵です。でも、21世紀になったって、占い・お参り関係には根強い人気が! 奥の着物女子、当時は大胆な髪型だったんでしょう。洋装の子も、気合い入ってます。



「からかさも 2人でさせば 恋になり」
普通の女の子の、フツウの恋・フツウの着物…可愛いですね! 「着物で恋」なんだけど「女の情念ッ」とかそうゆう感じじゃなくて、カラリと素朴。非・白蛇抄 。


「我が好いた 男の前を 駈けぬける」(古川柳) これは、ぜひ酒井若菜さんに。ほっそいカラダと丸い頬。着物を柔らかーーい布、として考えていた時代。


「持てあまし候なれど美顔術」
昔のエステ通い?樹木希林さんのフジカラーCMっぽいですね。 戦前らしい優雅な模様、たっぷりした着付け。草履も可愛いです。




「残酷なる哉 浄玻璃の鏡」という文がついていました。目の下にはクマ、顔はシワだらけ…という意地悪な絵です。

浄玻璃の鏡とは、閻魔様の鏡だとか。モガの襟足がぶつぶつしていて、こわい!後頭部に脂肪で段がついているし。

この絵で岩波文庫の小出楢重随筆集を思い出しました。(「断髪の女性にして2.3日風邪で寝込むとその襟足の毛が2.3分延びてくる。すると尼さんのもつ、不吉なる雅味を生じてくる。断髪の襟足は常に新鮮に整理されねばならぬ 。」)



昭和初期、洋服のお買い物。 足の長いお嬢さんは「私には、短すぎるわ」といい ふくよかなお嬢さんは「細すぎる服ねえ」などと言っています。

この絵が描かれた当時、銀座を歩く女性の99パーセントが着物だった状況を考えると、洋服ならではの「サイズの悩み」(2センチウエストが太くなったとか)は、この絵が描かれた頃にはじめて 生まれたのでは? 上流階級の方は、別として。

 

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